激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす
「だってお城に馬車…、さっきはモーツァルトの像もあったし、中にはドレスの展示もあるんでしょ?早く見たい!」
「焦らなくても、今日は1日かけてこのホーフブルク周辺を見られるから」
「うん!」
ホーフブルク宮の建築の開始は13世紀に遡り、ハプスブルク帝国の発展とともに増改築が繰り返されてきた。そのため、バロック様式やルネサンス様式など様々な時代の建築様式が入り交じり、複雑な構造となっている。
20世紀の初めには新王宮が建てられ、さらに規模が拡大する予定だったが完成を待たずに帝国が崩壊。一部が博物館として公開され、当時の豪華絢爛たる宮廷生活を垣間見ることが出来る。
颯真に手を取られ、旧王宮内のシシィ博物館に足を踏み入れた。
シシィとはオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の妃、エリザベートの愛称。
ヨーロッパ一の美貌と謳われたオーストリア皇后の肖像画やドレスを見られると、旅行先をウィーンに決めてから色々調べて楽しみにしていた。