激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす
まだ友人と遊んでいて、ただ充電が切れてしまっているだけならそれでいい。そう思うものの、この時間まで千花が帰宅していないというのもなんとなく腑に落ちない。
それに昨夜と今朝送ったメッセージに、いつの間にか既読が付いていた。
颯真はもう1度千花に電話を掛けるが、やはり電源が入っていないとお決まりのアナウンスが流れるだけだった。
「千花ちゃんは弥生が帰ってきたこと知ってるのか?」
「あぁ、一応メッセージは入れたから読んだはずだ」
「…なぁ颯真。前にもちらっと言いかけたんだけどさ」
「なんだ?」
「今更なんだけど…千花ちゃんって、お前と弥生が本当に付き合ってたって思ってないか?」
「……は?」
宮城の突然の問いかけに眉間に皺を寄せる。思ってもみなかったことで、彼の言いたいことがわからなかった。
「どういう意味だ?」
「そのままの意味。颯真と弥生が本当に愛し合ってる恋人同士だったって勘違いしてないかってこと」
「まさか。なんで」
「話してて何度か引っかかったことがあるんだ。弥生の話をしたがらないような、聞きたくないみたいな雰囲気で…」
颯真は宮城の言葉を聞いて黙り込む。