激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす

「千花、愛してる」
「颯くん…」
「愛してる…」
「うん、私も」

見つめ合い、やがてゆっくりと目を閉じてキスをする。徐々に深まっていくそれについていくのがやっとな千花だが、それでも必死に気持ちを伝えるように舌を差し出した。

「結婚式でも、ウィーンで千花の初めてをもらった時も、大事にするって誓ったんだ」

目を開けると、自分を見下ろす颯真の真剣な瞳に囚われる。

「今、ここでまた誓う。絶対幸せにする。もう二度と泣かせないから」
「…うん。なんかもう、夢みたい……」
「バカ、言ったそばから泣くなよ」
「幸せな嬉し泣きはいいの」

ただただ幸せで、颯真への愛おしさが涙になって溢れてくる。その涙を彼の舌が丁寧に舐め取り、熱い吐息が首筋から鎖骨へと移っていく。

所有の証をつけるように身体の至るところに唇を寄せられる。そのたびに小さく声が漏れ、身体が勝手に跳ねてしまう。

「千花、可愛い」

艶めいた視線を浴びせながらくすりと笑う颯真を睨むが、そんなことはお構いなしに責め立てられる。

「すごい、俺を欲しがってくれてる」
「そういう、こと…っ、いわな、いで…っ」
「これからは何でも言葉にするって決めたから」
「それ、なんか…ちが…っ」
「俺も千花が欲しい」

意地悪を言ったかと思えば、情熱的に求められる。
優しく激しい動きの中で、颯真は何度も千花に愛を囁き、千花もそれに応える。いつも以上に幸せで濃密な時間は、外が白むまで続いた。





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