激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす
5つも年下で、顔もスタイルも平凡。さらにこういった行為が初めての自分が、ちゃんと颯真と出来るのだろうかと不安が湧き上がってくる。
「颯くん、あの……」
「ん?」
「私、こういうの…。前の彼氏とは、その…」
キスは初めてではないし、身体に触れられたこともある。
それでも最後まで全てを委ねられなかったのは、以前の彼氏をそこまで好きではなかったからなのか。それとも無意識に初恋を引きずっていたからなのか。
どう伝えたらいいのかわからずしどろもどろになるのを、「大丈夫」とゆっくりと頷く颯真。
「優しくするから」
「う、うん」
「だから頼むから、この状況で前の彼氏の話題なんて出さないで。…優しく出来なくなりそう」
確かに失言だったと千花は口を噤む。
背中に回った手にブラのホックを外された。
圧迫から解放された胸に大きくて熱い手が這い、颯真は小さく息を詰める千花の様子を見ながら、ゆっくりと事を進めていく。
「……っ、…ぁ、っ」
「声我慢しないで。聞きたい」
「…っ、ぁ、やだ…」
「千花」
「ふぁ…っ!」