激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす
『今用意してもらうから待ってて』
『え?!このネックレス?!』
値段もわからない上に新作のコレクションだと聞かされてあわあわと落ち着きのない千花に、颯真は笑いながら『あとイヤリングと指輪も』となんでもないように爆弾発言をする。
『えぇっ?!ちょっ…、まって、颯くん!』
『いいから受け取って?今後ドレスアップする機会もあるだろうし、俺が贈ったジュエリーで着飾った千花が見たい。それとも、こういうの迷惑?』
そう言われては頑なに固辞するのも気が引けてしまい、小さく首を振って素直に受け取ることにした。
とはいえ、こんな凄いジュエリーを身につける機会などそうそうあるはずもなく。今はこうしてたまに眺めるだけのタンスの肥やしになってしまっている。
颯真と入れ替わりでお風呂に入り、寝室で一緒のベッドに入る。
「千花、いいか?」
あのウィーンでの初めての夜以降、何度もこうして身体を重ねている。
婚約時代の清い交際期間の4年が嘘のように、毎晩情熱的に抱かれる。
これも自分たちが普通の新婚夫婦のようだと思ってしまう要因だと千花は困惑する。