激情に目覚めた御曹司は、政略花嫁を息もつけぬほどの愛で満たす
「何の話をしていたと聞いている」
「い、いえ、あの…」
問い詰められたところで何も言えないのは分かっているだろうに、颯真は追及の手を緩めない。
「聞かれて困るような話をこの場所でしていたのか」
「申し訳有りません、部長。彼女たちは私の部下です。私の管理不行き届きです」
千花は聞こえてきた声で宮城が颯真と一緒にいることと、女性たちが秘書課の社員であることを知った。
「…秘書課の社員か」
「も、申し訳有りません…。あの…」
「仕事に戻ってくれ」
「は、はい…」
「それから、今後俺の妻を侮辱するような発言は許さない」
庇ってくれる颯真の声を聞きながらも、千花の心は晴れなかった。