タツナミソウ
5
でも今日は身だしなみを整える理由がある。
鏡を見ながら、髪の毛を耳の少し上の所まで結び直している私を見て舞が言う。
「あれ?幸子が髪の毛直すのとか珍しくない??」
「あぁ。うん。ちょっとね。」
舞が、左の口角だけ上げて鞄をゴソゴソし出した。あまり詮索されたくなくて、早めに終わらせたいけど、どんどん気になる所が出てきてなかなか終わらない。
髪の毛を結び終わり、少し天井に向いた毛先を気にしていると、舞が「これ。」と何か差し出してきた。
「ん?なに?これ?」
小さいスプレーボトルに入った少し濁った液体を受け取った。
「これをつけると勇気が出るよ。」と言って、シュッってしてとジェスチャーしてくる。
とりあえず頭の上からかけてみた。
懐かしい香りに少し驚いて、
「いい匂いだね。ありがとう。」
そう言ってすぐに舞に返した。
もういいの?と言いたそうな舞の顔を見てないフリをして、パウダーを急いでポンポンしてオレンジ色のチークをのせた。
荷物を急いでまとめて舞の方を見ないまま、「おつかれまた明日ね。」と言い、更衣室を出た。
鏡を見ながら、髪の毛を耳の少し上の所まで結び直している私を見て舞が言う。
「あれ?幸子が髪の毛直すのとか珍しくない??」
「あぁ。うん。ちょっとね。」
舞が、左の口角だけ上げて鞄をゴソゴソし出した。あまり詮索されたくなくて、早めに終わらせたいけど、どんどん気になる所が出てきてなかなか終わらない。
髪の毛を結び終わり、少し天井に向いた毛先を気にしていると、舞が「これ。」と何か差し出してきた。
「ん?なに?これ?」
小さいスプレーボトルに入った少し濁った液体を受け取った。
「これをつけると勇気が出るよ。」と言って、シュッってしてとジェスチャーしてくる。
とりあえず頭の上からかけてみた。
懐かしい香りに少し驚いて、
「いい匂いだね。ありがとう。」
そう言ってすぐに舞に返した。
もういいの?と言いたそうな舞の顔を見てないフリをして、パウダーを急いでポンポンしてオレンジ色のチークをのせた。
荷物を急いでまとめて舞の方を見ないまま、「おつかれまた明日ね。」と言い、更衣室を出た。