タツナミソウ

7

___日曜日の朝。

いつも通り仕事に行く。いつもと違うのは、今日の夜亮太に会う事。いつもより1時間早く起きて、身支度をする。お泊まりの準備をして、お化粧をいつもより少し濃いめにしてみる。パティシエという職業柄、本当はあまりお化粧はしてはいけないのだけれど、うちの会社は緩くて、固形物が落ちてこなければ大丈夫だ。まあ、あのゲジゲジの様な物は、私の目には合わなくて逆に小さく見えるからそもそもしない。ちなみに、舞はしているけどバレていない。前に本人にゲジゲジみたいだよねと言ったら怒られた。
いつもだったら、眉毛をかいて目に少し色をつけて終わり。でも今日は、しっかりとオレンジ色のアイシャドウを塗って、目尻には茶色をのせて、黒目の上には少しだけキラキラをつけた。目頭の下にバーガンディ色のラインを引いたら目が大きく見えるとテレビで言っていたから、この日のために買って使ってみたけど、よくわからない。まつげもくるんとしてマスカラを塗った。久しぶりにあげたから時間がかかってまつげが何本か抜けたけど気にしない。涙袋を人生ではじめて書いてみたけど、なんかみんなと違う。クマみたいになっちゃったけど、まあこれは愛嬌で誤魔化そう。
昔、亮太に似合うと言われた花柄のワンピースを着て、この間借りたパーカーとかお泊まりセットを色々持って、家を出た。

空も私を応援してくれているのだろう。キラキラのラメを沢山振らせてくれている。
あんまりラメをつけすぎると、ケーキに落ちてしまうから、かからないように、緑色の盾ではね返して対抗した。
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