タツナミソウ
更衣室を出て、階段を下りて、第一部署と書かれている扉を開いた。1番奥にあるオーブンの前が、朝礼をやる時の私の定位置だ。
ドスドス歩く音が扉の奥から聞こえてきた。
料理長の足跡だ。

「えー。おはようございます。〇〇△△」

バンっとドアを開けて入ってきてすぐ、無駄に大きい声で話し出す。朝礼は毎回たわいもない世間話で終わるから、〇と△に変換する。まあ、□でもいい。右から左に消えていく。左から右でもいいけど。

舞のちょっと汚れた靴と、綺麗にしたばかりの自分の靴を交互に見比べる。他の人の靴はどうだろうか。料理長はいつから替えていないのだろうか。いつもあんなに大きい足音を立てて歩いているせいなのか知らないけど、ボロボロで靴から髪の毛が生えているようだ。正直ひいた。

少し左に視線をずらすと、真っ白で大きな靴が見えた。お!この人綺麗にしているな。下を向きすぎて、少し痛みを感じる首を頑張って動かして、上を向いた。


「え。。。」
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