タツナミソウ
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「はーい。皆さん聞いてください。今日はお味噌汁とおにぎりを作ります。怪我のない様に注意してふざけないでやってくださいね。」
「はーい。」
小学5年生。はじめての調理実習。ちょっと、いや、かなり太ったこの女の人が家庭科担当の先生だ。男子は授業が潰れるから嬉しくガヤガヤしていて、女子は力の見せ所だと言わんばかりにソワソワしていた。
正直私は憂鬱で仕方なかった。料理なんてさせてもらった事ないし、お母さんも特別料理が上手いわけではない。昨日の夜、せめてお味噌汁くらい練習させてとお願いしてみたが、一回やったくらいじゃ変わらないからやめなさいと言われ、やらせてもらえなかった。たしかに、1回やったか2回やったかは変わらないと思う。でも0回と1回は全然違うじゃん。という風に反論できるわけもなく、調理実習への憂鬱さは高まっていくばかりだった。せめてもの反撃で、お母さんのお箸をバンっと置いてみたら、「うるさい。物に当たるんじゃない!」と何倍返しにでもするかの様な鬼の形相で言われたから、後ろ姿に向けてべーってして、私の勝利ということにしてやった。
「早く、手洗ってやろー!」
めぐみが私に話しかけてきた。小学5年生になって初めて同じクラスになった子だ。たまたま実習の班が一緒になっただけで、ちゃんと話すのは今日が初めてだ。私は最初からグイグイ来る子があまり得意ではない。めぐみはそんなタイプな気がしてなんとなく食わず嫌いな感じだ。だけど、班で女子は私達だけだから今日だけ仲良くしよう。
そして、2人で手を洗いご飯の炊き方の紙を見た。私達がハンカチで手を拭きながら紙を見てる中、隣では男子が「自然乾燥〜。」と言って手をぶらぶらさせているから、水滴が私の顔に当たった。
「はーい。皆さん聞いてください。今日はお味噌汁とおにぎりを作ります。怪我のない様に注意してふざけないでやってくださいね。」
「はーい。」
小学5年生。はじめての調理実習。ちょっと、いや、かなり太ったこの女の人が家庭科担当の先生だ。男子は授業が潰れるから嬉しくガヤガヤしていて、女子は力の見せ所だと言わんばかりにソワソワしていた。
正直私は憂鬱で仕方なかった。料理なんてさせてもらった事ないし、お母さんも特別料理が上手いわけではない。昨日の夜、せめてお味噌汁くらい練習させてとお願いしてみたが、一回やったくらいじゃ変わらないからやめなさいと言われ、やらせてもらえなかった。たしかに、1回やったか2回やったかは変わらないと思う。でも0回と1回は全然違うじゃん。という風に反論できるわけもなく、調理実習への憂鬱さは高まっていくばかりだった。せめてもの反撃で、お母さんのお箸をバンっと置いてみたら、「うるさい。物に当たるんじゃない!」と何倍返しにでもするかの様な鬼の形相で言われたから、後ろ姿に向けてべーってして、私の勝利ということにしてやった。
「早く、手洗ってやろー!」
めぐみが私に話しかけてきた。小学5年生になって初めて同じクラスになった子だ。たまたま実習の班が一緒になっただけで、ちゃんと話すのは今日が初めてだ。私は最初からグイグイ来る子があまり得意ではない。めぐみはそんなタイプな気がしてなんとなく食わず嫌いな感じだ。だけど、班で女子は私達だけだから今日だけ仲良くしよう。
そして、2人で手を洗いご飯の炊き方の紙を見た。私達がハンカチで手を拭きながら紙を見てる中、隣では男子が「自然乾燥〜。」と言って手をぶらぶらさせているから、水滴が私の顔に当たった。