タツナミソウ
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「2人で寝るの初めてだね。」
電気を消して真っ暗になった部屋で、そう亮太の方を見ながら呟いた。天井を向いたままの亮太に少しでもこっちを見て欲しくて、亮太の二の腕に頭を乗せて顔を近づけた。それでもこっちを見ないのが、ちょっと悔しくて、ほっぺをツンツンした。
「なんだよ。」
壁側に遠ざかってしまった。諦めて、亮太から離れて枕の上に頭を乗せて、「もういい。」そう言ってそっぽを向いた。別に怒ってなんかないけど、これで少しでも亮太が気にかけてくれるのなら、このくらいの嘘は神様も見逃してくれるだろう。目を瞑って寝ようとしたその時、
「なんで、離れんの。こっちおいでよ。さっきみたいに。」
亮太が今にも消えそうな声で言った。
真っ暗で見えないけど彼がどんな顔をしているのかわかった。
「なんでー。さっきなんだよって言ったじゃん。」
ちょっと意地悪したくなってしまった。
本当は今すぐにでも抱きついてそのまま亮太の中で眠りたい。そして夢の中でも亮太を感じていたい。
「あー。悪かったよ。」
そう言って亮太は幸子の肩を掴んで自分の方に引き寄せた。大きな体で幸子を包み込んだ。小さな声で呟いた。「大好きだよ。」と。「私もだよ。」そう言って眠りについた。
変な夢を見た。
私と亮太だけの世界で、知らない草原?お花畑?の中にいる。紫色の、なんて名前なのかわからないお花が綺麗で亮太にプレゼントしたいと思った。でも、よく見ると似ているけど色も少しずつ違う似たような花が沢山咲いている。どれが本物なのか見分ける事ができない。なんだかそれが、ムズムズしてザワザワして、でも心地よくて、よくわからなくなってしまった。
そんな私を見て、亮太が泣いている。
どうしてだろう。何か悲しい事があったのだろうか。寂しい事があったのだろうか。
すぐ近くに行って抱き寄せたいのに、追えば離れて行き、止まれば彼も立ち止まる。
何度も名前を呼んだけど届かない。
一生懸命伸ばした手が届きそうになった時目が覚めた。
隣に亮太の姿はなかった。
「2人で寝るの初めてだね。」
電気を消して真っ暗になった部屋で、そう亮太の方を見ながら呟いた。天井を向いたままの亮太に少しでもこっちを見て欲しくて、亮太の二の腕に頭を乗せて顔を近づけた。それでもこっちを見ないのが、ちょっと悔しくて、ほっぺをツンツンした。
「なんだよ。」
壁側に遠ざかってしまった。諦めて、亮太から離れて枕の上に頭を乗せて、「もういい。」そう言ってそっぽを向いた。別に怒ってなんかないけど、これで少しでも亮太が気にかけてくれるのなら、このくらいの嘘は神様も見逃してくれるだろう。目を瞑って寝ようとしたその時、
「なんで、離れんの。こっちおいでよ。さっきみたいに。」
亮太が今にも消えそうな声で言った。
真っ暗で見えないけど彼がどんな顔をしているのかわかった。
「なんでー。さっきなんだよって言ったじゃん。」
ちょっと意地悪したくなってしまった。
本当は今すぐにでも抱きついてそのまま亮太の中で眠りたい。そして夢の中でも亮太を感じていたい。
「あー。悪かったよ。」
そう言って亮太は幸子の肩を掴んで自分の方に引き寄せた。大きな体で幸子を包み込んだ。小さな声で呟いた。「大好きだよ。」と。「私もだよ。」そう言って眠りについた。
変な夢を見た。
私と亮太だけの世界で、知らない草原?お花畑?の中にいる。紫色の、なんて名前なのかわからないお花が綺麗で亮太にプレゼントしたいと思った。でも、よく見ると似ているけど色も少しずつ違う似たような花が沢山咲いている。どれが本物なのか見分ける事ができない。なんだかそれが、ムズムズしてザワザワして、でも心地よくて、よくわからなくなってしまった。
そんな私を見て、亮太が泣いている。
どうしてだろう。何か悲しい事があったのだろうか。寂しい事があったのだろうか。
すぐ近くに行って抱き寄せたいのに、追えば離れて行き、止まれば彼も立ち止まる。
何度も名前を呼んだけど届かない。
一生懸命伸ばした手が届きそうになった時目が覚めた。
隣に亮太の姿はなかった。