タツナミソウ
そこから私達はお店が閉店の時間まで食べて飲みまくった。平日な事もあって、お店にはお客さんが私たちしかいなくなっていたため、カウンター越しに深澤君も一緒に食事をしていた。楽しくお喋りしながら。彼はガハハって大きな口をあけて笑うから、右の八重歯に何かはよくわからないけど、焦げのようなものが挟まっているのが見えた。いつもならこっそり「ついてるよ」とか教えるけど、今日は大きな声で言ってしまうくらいには私も楽しくなっていた。舞はストッパーを外しすぎたのだろう。何杯なのか数えられないほど飲んでいた。「気持ち悪い。」その言葉を言い残してトイレへダッシュしていた。その後を深澤君が追いかける。取り残された私は1人で熱燗をちびちび飲んでいた。2人の話し声が聞こえるけど、何を話しているのかわからない。深澤君が出てきて、裏からグレーのトレーナーとビニール袋を持ってまたトイレに入っていった。しばらくして深澤君に支えられて出てきた舞は、そのグレーのトレーナーを着て右手にはおにぎり3個分くらいが入ってそうな大きさのビニール袋を持っていた。席に着くと隣で眠りはじめてしまった。
手を洗ってから、お店の片付けをはじめた深澤君を見ながら、最後のポテトフライを口に運んだ。
「さっきの好きな人の話だけどさ。」
深澤君がお皿を洗いながら話しかけてきた。
「俺の中の好きな人っていうのはさ、その人の幸せが自分の幸せになる事かな。本当はそれが自分にとって不幸な事だとしても。俺の涙がその人の笑顔になるんだったらそれでいい。それがいいと思える人かな。どう?ふかくね?」
舞のさっき言ってた事よりはわかるかな?いや、やっぱりわからないかな?と目を細めながら深澤君を見た。
そんな目で見るなよ。恥ずかしいだろ。と鼻を掻いてまた洗い物をはじめた。
というか、そうやっていうって事は深澤君もずっと好きな人とかいるのかな?そんな話この10年聞いた事ないけど、、、。彼女がいた事はあったけど毎回なんとなく告白されて付き合ってた気がする。それで毎回必ず振られる。どうしてなのかな?深澤君とってもいい人なのに。
手を洗ってから、お店の片付けをはじめた深澤君を見ながら、最後のポテトフライを口に運んだ。
「さっきの好きな人の話だけどさ。」
深澤君がお皿を洗いながら話しかけてきた。
「俺の中の好きな人っていうのはさ、その人の幸せが自分の幸せになる事かな。本当はそれが自分にとって不幸な事だとしても。俺の涙がその人の笑顔になるんだったらそれでいい。それがいいと思える人かな。どう?ふかくね?」
舞のさっき言ってた事よりはわかるかな?いや、やっぱりわからないかな?と目を細めながら深澤君を見た。
そんな目で見るなよ。恥ずかしいだろ。と鼻を掻いてまた洗い物をはじめた。
というか、そうやっていうって事は深澤君もずっと好きな人とかいるのかな?そんな話この10年聞いた事ないけど、、、。彼女がいた事はあったけど毎回なんとなく告白されて付き合ってた気がする。それで毎回必ず振られる。どうしてなのかな?深澤君とってもいい人なのに。