タツナミソウ
「で、なんで?私?2人ともそんなに話した事ないんだけど」
「それがね、、、。」
めぐみは保健室まで行って、ドアに張り付いて聞き耳を立てていたらしい。最初そこから聞こえてきたのは、先生の怒る声と宮下君の「こいつが俺の携帯をとったからだよ。」それだけ。その携帯をなんでとったかを知りたいのに、、。深澤君は何も話さない。つまらないから戻ろう。そう思った時
「おい!これはなんなんだ?」
先生の声が聞こえた。問題の宮下君の携帯を先生が調べているらしい。その中に幸子が衣装に着替えようとしている所の写真があった。一枚ではなく、何枚も。中には下着が写ってしまっている物もあって、宮下君はその写真を友達に見せつけていたという。それをたまたま深澤君が気づいて、写真を消そうとして殴り合いに発展した。
「ごめん、大丈夫?」
全てを話し終わった時めぐみは私の顔を覗き込んで不安そうな顔で聞いていきた。正直「怖い」という気持ちが強かった。どうして私なのだろう。宮下君とは全くと言っていいほど話した事がない。誰でもよかったのだろうか。たまたま私が選ばれて、たまたま下着姿を撮られて、それを色んな人が見て、笑い物にされる所だったのだろうか。
何も話さない私をめぐみは元気づけようとしたのだろう。
「で、、でもさ、ほら、深澤君のおかげで、写真も消されたみたいだしさ、良かったよね。」
私の手を握り、不安そうな顔をして見つめているめぐみを安心させたくて、「全然大丈夫だよ。」と嘘をついた。何事もなかったように作業を再開した。
しばらくして2人が教室に入ってくると、ザワザワしていたのが一気に、シーンと静かになった。宮下君の友達が、深澤君の事を悪く言いふらしていたせいで、深澤君には居場所が無くなっていた。こんなの間違っている。でも本当の事を言う事ができない私も同じかもしれない。それでもどうにか深澤君と話したくて、何も言わずに彼の手をとって教室を離れて、階の1番端っこの誰も寄り付かない階段の踊り場まで歩いた。何も言わずについてきてくれて、私の手を決して振り払わなかった彼の手はとても暖かくて冷たかった。
「それがね、、、。」
めぐみは保健室まで行って、ドアに張り付いて聞き耳を立てていたらしい。最初そこから聞こえてきたのは、先生の怒る声と宮下君の「こいつが俺の携帯をとったからだよ。」それだけ。その携帯をなんでとったかを知りたいのに、、。深澤君は何も話さない。つまらないから戻ろう。そう思った時
「おい!これはなんなんだ?」
先生の声が聞こえた。問題の宮下君の携帯を先生が調べているらしい。その中に幸子が衣装に着替えようとしている所の写真があった。一枚ではなく、何枚も。中には下着が写ってしまっている物もあって、宮下君はその写真を友達に見せつけていたという。それをたまたま深澤君が気づいて、写真を消そうとして殴り合いに発展した。
「ごめん、大丈夫?」
全てを話し終わった時めぐみは私の顔を覗き込んで不安そうな顔で聞いていきた。正直「怖い」という気持ちが強かった。どうして私なのだろう。宮下君とは全くと言っていいほど話した事がない。誰でもよかったのだろうか。たまたま私が選ばれて、たまたま下着姿を撮られて、それを色んな人が見て、笑い物にされる所だったのだろうか。
何も話さない私をめぐみは元気づけようとしたのだろう。
「で、、でもさ、ほら、深澤君のおかげで、写真も消されたみたいだしさ、良かったよね。」
私の手を握り、不安そうな顔をして見つめているめぐみを安心させたくて、「全然大丈夫だよ。」と嘘をついた。何事もなかったように作業を再開した。
しばらくして2人が教室に入ってくると、ザワザワしていたのが一気に、シーンと静かになった。宮下君の友達が、深澤君の事を悪く言いふらしていたせいで、深澤君には居場所が無くなっていた。こんなの間違っている。でも本当の事を言う事ができない私も同じかもしれない。それでもどうにか深澤君と話したくて、何も言わずに彼の手をとって教室を離れて、階の1番端っこの誰も寄り付かない階段の踊り場まで歩いた。何も言わずについてきてくれて、私の手を決して振り払わなかった彼の手はとても暖かくて冷たかった。