王子達は公爵令嬢を甘く囲いたい
なるほど、お母様が…
まぁ、私達の魔法を担当するのはアルだもんね。
そりゃあ、大っぴらにしたら大変な事とはいえ、そのことについて教えて置かないと後から面倒なことが起こりそうだし。
「いやぁ、それにしてまさか2人が愛し子とは。
道理で誓約魔法を使わされたはずだ」
実に軽~く、ヘラっと笑ってそうアルは言ってみせた。
…セイヤクマホウ…セイヤク魔法……誓約魔法!?
「え、誓約魔法を使ったのですか!?」
「うん、そうだよ」
アルはこんなに軽く言ってるが、誓約魔法とは本来かなり重いものなのだ。
もし、誓約魔法で誓ったことを意図しなくても破りそうになった場合、対象者は魔法の効果により罰が#下__くだ__#される。それは、少し痺れるだけの電流が流れる程度等の軽いものから、内容によっては下手すれば死ぬものまで。
つまり、そんなにホイホイと気軽に出来るような魔法ではないのだ。
そんなこと、まだ魔法を習い始めの私だって知っている。
それを王宮魔術師であるアルが知らないはずがない。
「なるほど…確かに、母様の判断は妥当だね」
私がひとりアワアワしている中、兄様は顔に右手を近づけたポーズでそう呟いた。
「え…?どうしてそう思うのですか、兄様?」
「いや、別にアルが信頼出来ないっていう訳では
ないんだけどね。ただ、それ相応の対応を今は徹
底させておかなければいけないってだけ。
無いとは思うけど、もしアルが敵国やその間者
に捕まって、精神干渉を使われ、秘密事項として
このことを言わされないとは限らないだろう?…
もし、僕らが愛し子だと公式に発表されていない
今、バレたらどうなると思う?」
「…?そんなの大変なことになるに決まって…あ
っ!!!」