王子達は公爵令嬢を甘く囲いたい
え…
「なぜですか?」
「国の法律で兄妹・姉弟は筆頭婚約者になるこ
とが定められているんだ。だから、婚約可能と
なる5歳になったらおまえたちは婚約してもら
う。」
僕がアンジュと…?いや、ちょっと待て。筆頭婚約者…?それって─
「筆頭婚約者って、もしかして─」
「あぁ、最低5人と婚約、もしくは結婚するこ
とも定められているんだ。」
僕のアンジュが…?他のヤツとも婚約だって…!
「10歳のデビュタントまでに他の婚約者も決め
ないといけない。」
「な、なぜですか!」
「それはアンジュだからだ。」
アンジュ、だから……?
「アンジュはとてもいい子だ。全ての男が憧
れ、焦がれるほどに。」
「!!」
そうだ。世の中の女の子はあんなのだ。
だから、天使のようなアンジュは狙われるだろう。そして何より、容姿も天使のように可愛らしいし。
「なるほど…。他のヤツもアンジュと婚約する
なんて正直すっごく嫌ですが…。分かりまし
た。それで?僕は何をしたらいいんですか?」