バカ恋ばなし
プロローグ
私の名前は丸田 愛子。この名前「愛子」の

由来は、両親が「愛情豊かで、誰から

も愛される人生を送れるように。」との願い

を込めて付けたのだそうだ。小学校1年

生のときに、母親がそう教えてくれた。名前

の通り顔の輪郭は真ん丸でぽっちゃりし

ており、そして両親から十分な愛情を受けて

何不自由なく育てられた。

私は、当時アクション映画やドラマに出てく

るヒーロー役で大活躍している憧れの

俳優を見てはその彼と仲良くなってロマンチ

ックなデートをしたり、または自分が

女優(?!!)になって彼と共演して自分も

大スターになっているといった、途方

もなく非現実的でとんでもなく気持ち悪く

て、とてつもなくバカげていて、そんで

もってやたらにロマンチックなことを一人勝

手に妄想して楽しんでいた。

「自分を守ってくれて、頼りがいがあって、

背が高くて、カッコいい素敵な彼と結

婚できるといいなあ……。」

そんな身の丈に合わない高望みなことを考え

ては一人で顔をニヤつかせていた。
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