バカ恋ばなし
「いつも学ラン姿しか見ていないけど、私服姿はイメージ違うよね。」

佳子がへえーと言わんばかりに言ってきた。

「やっぱりプリンスはイケメンだねえ。ジーンズ似合っているよね。爽やかだわあ

~。」

続けて清子も納得の一言を言ってきた。

この爽やかイケメン姿の譲二君を写真に収めたい!私はこの日のために、1週間前に

写真店で「写ルンです」を購入していた。この「写ルンです」で爽やか譲二君を撮

るにはどうすればよいだろうか?譲二君の周囲には、1号君とクラスメートである浴

衣姿の女子たちが数名いて楽しく談笑している。そんな中で写真が撮れるだろう

か……。

「ちょっと、どうするどうする?プリンスに話しかけるの?なんだか女子たちに囲

まれちゃっているねえ。やっぱりプリンスはカッコいいからモテモテなんじゃない

の?」

佳子が言ってきた。

「どうしよう……できればプリンスの写真が撮れればいいんだけど……難しそう。

あんなに女子たちに囲まれていて……やっぱモテるんだね。」

写真は半ば諦めたほうがいいのかな……。本当はツーショットを撮りたいが、それ

も夢のまた夢なのか……。でもここまで来たら諦めたくない!だって、せっかくお

小遣いで「写ルンです」を購入したんだし、何とかして写真に収めたい!
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