バカ恋ばなし
「いいよお~。さ、早く並んで!」
佳子は、張り切った声で私を譲二君の隣に並ばせた。
私は、最高潮に赤く火照った顔で俯きながら、恥ずかしさも最高潮な状態で一歩一
歩譲二君の隣に向かった。譲二君にどんどん近づくにつれて胸の鼓動がハッキリと
耳まで響いているのを感じた。目の前に譲二君がいても恥ずかしさが勝って俯いた
顔を上げられず、譲二君の表情が見られなかった。一歩……一歩……一歩……一
歩……一歩……譲二君の隣に到着!
私はくるりと振り向いて、思いっきり口角を上げて飛び切りの笑顔をしてみせた。
「丸ちゃん、もっと寄って寄って!」
佳子が「写ルンです」を構えながら楽しそうな声で言ってきた。佳子の隣で清子も
一緒に「そうだよ!もっと寄って!」と楽しそうに手を横に振って近寄るように示
した。確かに私は若干遠慮して譲二君との間に人一人分くらいの間隔を空けてい
た。私は火照り顔を俯きながら横に一歩譲二君に近づいた。もう恥ずかしくて譲二
君の顔が見られない。でも確実にツーショットを撮るには今しかない!私はドキド
キ高鳴る鼓動を抑えつつ、勇気を出して(大げさな言い方!)顔を上げた。そして
口角を更にキュッと上げて自分なりの飛び切りの笑顔を作って見せた。
「はいっ、チーズ!」パシャ!
(譲二君とツーショット写真が撮れた!!やったあ!!今日の目的達成!!)
「ありがとう……」
私ははにかみながら譲二君にお礼を言った。
「ああ……どうも。」
譲二君はまたボーっとした感じの声で返事をした。1号君はちょっと離れたところで
ニヤニヤとした顔でこの光景を見ていた。
「ありがとう!!ツーショットが撮れた!ありがとう!!」
譲二君たちのいる教室から出てから、私は佳子と清子へ思いっきりお礼を言った。
「よかったねえ~丸ちゃん!プリンスの隣にいて可愛かったよ!」
佳子がニコニコしながら言った。
「丸ちゃん、凄い笑顔だったよ!やっぱりプリンスの隣にいるから、凄くニコニコ
していたよね。」
続いて清子も半ば興奮気味に言ってきた。
「プリンスはどんな顔をしていたかなあ。」
私は佳子と清子に聞いてみた。ツーショットを撮ってもらっているとき、隣にいる
譲二君はどんな表情をしていたか確かめてみたかった。もし私の見ていないところ
で譲二君が嫌そうな顔をしていたらどうしよう……。
「プリンスもまんざらではない顔をしていたよ。」
佳子が大丈夫だよと言わんばかりに答えた。
「そうなの?!まんざらでないなんて、よかったあ~。」
譲二君は嫌な顔をしていなかったことで、私はホッとして心が軽くなった。それに
譲二君もまんざらではなかったなんて……。
これはひょっとして譲二君もちょっと嬉しかったのかなあ……。もしかしてこの片
思いは成就するのか!今まで朝の努力が報われるのか!佳子の言葉を思い浮かべな
がら私の気持ちはいつもより晴れやかになった。私は自分の片想いに自信がついて
いた。今までの朝の努力は決して無駄ではない!私はそう確信した。帰り道は朝と
は比べ物にならないくらい程に足取りは軽かった。バスや電車の中では、文化祭で
の譲二君の装いやツーショット写真を撮ったときの様子について振り返り、三人で
ワイワイ盛り上がっていた。たかが憧れの彼とツーショット写真を撮っただけなの
に、私は幸せ絶好調な感じに浸っていた。
佳子は、張り切った声で私を譲二君の隣に並ばせた。
私は、最高潮に赤く火照った顔で俯きながら、恥ずかしさも最高潮な状態で一歩一
歩譲二君の隣に向かった。譲二君にどんどん近づくにつれて胸の鼓動がハッキリと
耳まで響いているのを感じた。目の前に譲二君がいても恥ずかしさが勝って俯いた
顔を上げられず、譲二君の表情が見られなかった。一歩……一歩……一歩……一
歩……一歩……譲二君の隣に到着!
私はくるりと振り向いて、思いっきり口角を上げて飛び切りの笑顔をしてみせた。
「丸ちゃん、もっと寄って寄って!」
佳子が「写ルンです」を構えながら楽しそうな声で言ってきた。佳子の隣で清子も
一緒に「そうだよ!もっと寄って!」と楽しそうに手を横に振って近寄るように示
した。確かに私は若干遠慮して譲二君との間に人一人分くらいの間隔を空けてい
た。私は火照り顔を俯きながら横に一歩譲二君に近づいた。もう恥ずかしくて譲二
君の顔が見られない。でも確実にツーショットを撮るには今しかない!私はドキド
キ高鳴る鼓動を抑えつつ、勇気を出して(大げさな言い方!)顔を上げた。そして
口角を更にキュッと上げて自分なりの飛び切りの笑顔を作って見せた。
「はいっ、チーズ!」パシャ!
(譲二君とツーショット写真が撮れた!!やったあ!!今日の目的達成!!)
「ありがとう……」
私ははにかみながら譲二君にお礼を言った。
「ああ……どうも。」
譲二君はまたボーっとした感じの声で返事をした。1号君はちょっと離れたところで
ニヤニヤとした顔でこの光景を見ていた。
「ありがとう!!ツーショットが撮れた!ありがとう!!」
譲二君たちのいる教室から出てから、私は佳子と清子へ思いっきりお礼を言った。
「よかったねえ~丸ちゃん!プリンスの隣にいて可愛かったよ!」
佳子がニコニコしながら言った。
「丸ちゃん、凄い笑顔だったよ!やっぱりプリンスの隣にいるから、凄くニコニコ
していたよね。」
続いて清子も半ば興奮気味に言ってきた。
「プリンスはどんな顔をしていたかなあ。」
私は佳子と清子に聞いてみた。ツーショットを撮ってもらっているとき、隣にいる
譲二君はどんな表情をしていたか確かめてみたかった。もし私の見ていないところ
で譲二君が嫌そうな顔をしていたらどうしよう……。
「プリンスもまんざらではない顔をしていたよ。」
佳子が大丈夫だよと言わんばかりに答えた。
「そうなの?!まんざらでないなんて、よかったあ~。」
譲二君は嫌な顔をしていなかったことで、私はホッとして心が軽くなった。それに
譲二君もまんざらではなかったなんて……。
これはひょっとして譲二君もちょっと嬉しかったのかなあ……。もしかしてこの片
思いは成就するのか!今まで朝の努力が報われるのか!佳子の言葉を思い浮かべな
がら私の気持ちはいつもより晴れやかになった。私は自分の片想いに自信がついて
いた。今までの朝の努力は決して無駄ではない!私はそう確信した。帰り道は朝と
は比べ物にならないくらい程に足取りは軽かった。バスや電車の中では、文化祭で
の譲二君の装いやツーショット写真を撮ったときの様子について振り返り、三人で
ワイワイ盛り上がっていた。たかが憧れの彼とツーショット写真を撮っただけなの
に、私は幸せ絶好調な感じに浸っていた。