バカ恋ばなし
「プリンスと電話で話が出来たんだ!バレンタインのアポまで取れてすごいじゃ

ん!」

佳子がパアッと笑顔で言ってきた。翌朝の通学時、私は佳子と清子へ譲二君と電話

で話したことを逐一報告していた。

「まあね。もう緊張したよお~。断られたらどうしようかと思っていたからさ

あ。」

私はその時の心境を思い出しながら半ば興奮気味に話した。

「やったじゃん丸ちゃん!いいなあープリンスとバレンタインデートの約束でき

て。ところで、待ち合わせした後はどこに行くの?喫茶店かファミレス?それとも

映画でも観に行くの?」

清子が身体を前のめりして羨ましそうに聞いてきた。一緒に映画鑑賞なんてまだそ

こまで考えられない。待ち合わせをしてからどこか雰囲気の良い喫茶店に行きたい

のだが、駅前はやや閑散としていてあまりお店がないが、近くに一件小さな喫茶店

があった。

「う~ん……駅前だとフラワーハウスかな。そこの喫茶店で一緒にお茶でも飲んで

話が出来ればなあと思っている。それにちゃんとバレンタインのチョコを渡したい

しね。」

「そのバレンタインのチョコはちゃんと用意したの?」

佳子が聞いてきた。

「うん。何とかチョコレートパイを手作りしたよ。」

「すごいじゃん!丸ちゃん気合入っているねえ。」

佳子が少し驚きを含めた明るい声で言った。

「頑張ったよー。何せ私にとっての一大イベントだからね。気合入れたよ。」

「そうかー。バレンタインデート上手くいくといいね!」

清子が笑顔で言ってきた。

「丸ちゃんがんばって!結果を楽しみにしているよ!」

佳子も笑顔で言ってきた。この二人からの応援メッセージは本当に嬉しいし、心強

く感じた。

「うん!ありがとう!がんばるよ!後で結果報告するね!」

私も笑顔で返事をした。
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