バカ恋ばなし
アンティーク調の装飾が揃っている店内の壁には、所々に

「猫を探しています。日本猫でメス。名前は美代ちゃん。3歳 色は白と黒のブチ。

見つけたら電話○○-○○○○ I川まで連絡ください。」

「K市市民吹奏楽団演奏会 3月〇日 場所:K市市民ホール 開演:10:00~ 

演目:ホルスト「惑星」より「木星」他。ぜひ来てください!!」

「K市地区対抗少年サッカー大会開催!! 開催日時:3月△日 9:00 場所:

K市市民運動場」

等、ペットの捜索や地域での催し物のポスターが掲示されていた。この「フラワー

ハウス」は地域密着型喫茶店なのであろう。

私たちは店のやや奥側の二人掛け用ボックス席に向かい合わせで座った。私は羽織

っているダッフルコートを脱いで、椅子の背もたれにかけた。譲二君も赤いダウン

ジャケットを脱ぎ、椅子の背もたれにかけた。ダウンジャケットの下はグレーに黒

字で英字のロゴが入ったゆったりしたトレーナーを着ていた。改めてみると譲二君

の肩幅は広くてしっかりしていた。そして譲二君は何を着ていても似合っていた。

「ご注文を伺います。」小柄な女性店員が注文を取りに来た。多分店主の奥さんだ

ろう。丸顔でとてもやさしい笑顔をしていた。そして羨ましいくらいに可愛くて高

い声をしていた。

「は、春田君は何にする?」

「えーっと……コーラで。」

「じゃ、じゃあ私は……紅茶でお願いします。」

ここは女性らしく(?)紅茶でいくか。私はメニューを見ながら注文をした。

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