snowscape~彼と彼女の事情~
「えっ!!いるっ!!!」
あたしは恥を捨て、とっさに旬君の手に絡みつき、凄い勢いで白クマを奪い取っていた。
鏡を通して自分で自分の顔を見たら、きっとあり得ない形相だったと思う。
「あっ、そう。サンキュ♪」
そんなあたしを見ても旬君は驚くどころか、軽い口調で返事し、白クマのぬいぐるみをくれた。
優しい空気に包まれ瞬間
嬉しくなったあたしは、旬君に最高の笑みを向け
「いや、ありがとうございます」
うわずった声をあげ、嬉しさを全面に表していた。
“貰っちゃった。嬉しいよ~嬉しいよ~!”心の声が漏れてしまいそうなくらい張り裂けそうな胸。
この胸の高鳴り。それはまさに
“あたしは彼が好きになりました”
とハッキリ告げていた。でも、恋に落ちてしまった相手は、彼女持ちだと知ってしまった現実。
天国と地獄を数分で味わった気分なのは言うまでもない…
「かわいくなくてごめんな」
「そんなの、嬉しくないよなぁ~しかも『友里』って、旬は本当になれなれしい」
旬君の声に覆い被さるように、隼人君はここぞとばかりに、痛い所を指摘してくる。
さっきからなんなの。この男は…
「呼び捨ていやだった?ごめんな」
「えっ?いや、ぜんぜん平気です、それでいいです!!」
申し訳なさげな旬君を見ているくせに、うまくフォローする言葉が見つからない。
あたしの働かない頭がこの時ばかりは、憎らしいよ…
呼び捨て出来る間柄
それは二人の距離がグッと近くなり、他人から知り合いになった証。
とても大事な出来事なのに、うまくフォローしてあげられない自分は、なんて子供なんだろう…
あたしが一人モヤモヤな気持ちと格闘してると、旬君はタバコを吹かし、なぜか笑っている。
ん?あれ?なんで笑ってんの?
笑われるような事した?
あたしは恥を捨て、とっさに旬君の手に絡みつき、凄い勢いで白クマを奪い取っていた。
鏡を通して自分で自分の顔を見たら、きっとあり得ない形相だったと思う。
「あっ、そう。サンキュ♪」
そんなあたしを見ても旬君は驚くどころか、軽い口調で返事し、白クマのぬいぐるみをくれた。
優しい空気に包まれ瞬間
嬉しくなったあたしは、旬君に最高の笑みを向け
「いや、ありがとうございます」
うわずった声をあげ、嬉しさを全面に表していた。
“貰っちゃった。嬉しいよ~嬉しいよ~!”心の声が漏れてしまいそうなくらい張り裂けそうな胸。
この胸の高鳴り。それはまさに
“あたしは彼が好きになりました”
とハッキリ告げていた。でも、恋に落ちてしまった相手は、彼女持ちだと知ってしまった現実。
天国と地獄を数分で味わった気分なのは言うまでもない…
「かわいくなくてごめんな」
「そんなの、嬉しくないよなぁ~しかも『友里』って、旬は本当になれなれしい」
旬君の声に覆い被さるように、隼人君はここぞとばかりに、痛い所を指摘してくる。
さっきからなんなの。この男は…
「呼び捨ていやだった?ごめんな」
「えっ?いや、ぜんぜん平気です、それでいいです!!」
申し訳なさげな旬君を見ているくせに、うまくフォローする言葉が見つからない。
あたしの働かない頭がこの時ばかりは、憎らしいよ…
呼び捨て出来る間柄
それは二人の距離がグッと近くなり、他人から知り合いになった証。
とても大事な出来事なのに、うまくフォローしてあげられない自分は、なんて子供なんだろう…
あたしが一人モヤモヤな気持ちと格闘してると、旬君はタバコを吹かし、なぜか笑っている。
ん?あれ?なんで笑ってんの?
笑われるような事した?