snowscape~彼と彼女の事情~
「そうだ。気にしないのはいんだけど、あたし達時間潰してたわけじゃん。今何時になったの?」
「あっ?ん~と、時間は~」
亜紀がデコレーションされたピンクの携帯をバッグから無造作に取りだし、時間を確認する。
「7時半ちょい過ぎかな」
「7時半過ぎ?こっからカラオケまで歩いて約10分でしょ。まっ、遅れる事はないから大丈夫じゃん」
待ち合わせの時間までまだ余裕がある事に胸を撫で下ろしたあたしは、平然と口にした。
けれど、亜紀は隣で不満げに唇を尖らせている。
その表情から、どことなく伝わってくるのは焦り?
いや、不満が正しいかもしれない…
「隼人君より早く待ってたい…」
聞き取りづらい小声を出した亜紀。
すると同時に、あたしのコートの袖を強く引っ張った。
しなやかな指でぎゅっと袖を握り、なかなか離してはくれない。
亜紀が何かを訴えたがっている…
これは何か言わなきゃいけないと思い、あたしはとっさに声を出した。
「亜紀どうした?」
背の高い亜紀を下から覗き見上げると
「早く待ってたいの!あたし、隼人君の前ではちょっといい女のフリしたいんだ…だからお願い。外めっちゃ寒いけど早めに行っていい?」
と言い、恥ずかしいのか会える喜びを噛み締めているのかはにかんだ。
ここまで亜紀を女にしてしまう隼人君は、確かに世間一般でいうイケメン。
けど、ルックスだけでなく、余程人間的に素敵な人なんだろうと思わざるをえなかった。
「あっ?ん~と、時間は~」
亜紀がデコレーションされたピンクの携帯をバッグから無造作に取りだし、時間を確認する。
「7時半ちょい過ぎかな」
「7時半過ぎ?こっからカラオケまで歩いて約10分でしょ。まっ、遅れる事はないから大丈夫じゃん」
待ち合わせの時間までまだ余裕がある事に胸を撫で下ろしたあたしは、平然と口にした。
けれど、亜紀は隣で不満げに唇を尖らせている。
その表情から、どことなく伝わってくるのは焦り?
いや、不満が正しいかもしれない…
「隼人君より早く待ってたい…」
聞き取りづらい小声を出した亜紀。
すると同時に、あたしのコートの袖を強く引っ張った。
しなやかな指でぎゅっと袖を握り、なかなか離してはくれない。
亜紀が何かを訴えたがっている…
これは何か言わなきゃいけないと思い、あたしはとっさに声を出した。
「亜紀どうした?」
背の高い亜紀を下から覗き見上げると
「早く待ってたいの!あたし、隼人君の前ではちょっといい女のフリしたいんだ…だからお願い。外めっちゃ寒いけど早めに行っていい?」
と言い、恥ずかしいのか会える喜びを噛み締めているのかはにかんだ。
ここまで亜紀を女にしてしまう隼人君は、確かに世間一般でいうイケメン。
けど、ルックスだけでなく、余程人間的に素敵な人なんだろうと思わざるをえなかった。