可愛い幼なじみの求愛
5章
僕のものだって、沢山分からせてあげる
「風菜、おはよう」
「……ん」
楓くんと付き合い始めて、一週間が経過した。
私達の生活は特に変わっていない。
いつものように帰宅して、二人でご飯を食べて。
変わったところといえば、キスやハグをしている
というところだろうか……。
「……楓くん、私を起こしてくれるときどうしてキスするの?」
「それは、風菜の寝顔が可愛いから」
付き合ってからというもの、楓くんから私を起こすとき必ずといっていいほど、キスされます。
嫌ではないんだけど………、びっくりするから困る。
「キスは起きてるときにお願いします」
「嫌だ。僕、起きている風菜にも、寝ている無防備な風菜にもキスしたい」
ドキドキと心臓が高鳴る。
好きな人と一緒に住むのはとても楽しい。
だけど、『好きな人』しかも『彼氏』の楓くんの行動一つ一つがかっこよくて見惚れて、心臓が休まらない………。
これが私の悩みだったりもする。
「……だめ?」
今だって、私のベッドの前でしゃがんで上目遣いで私を見ている。
そんな顔されたら、断れない……。
「……いいよ」
「ヤッター!!」
楓くんがベッドで布団の中に入っている私の上にまたがる。
「実は今日ね、風菜のこと早く起こしたの」
「用事があるの?」
「ううん。イチャイチャしたかったから」
楓くんが私の首元を指でなぞる。
「………あ…」
くすぐったくて口から思わず変な声が出てしまう。
楓くんはそんな私を見て、満足したかのように微笑む。
「キスマーク、消えかかってるね」
「そうかな?」
「うん。もう一回つけ直さないとダメだね」
私の首元に顔を埋め、甘く噛む。
チクッと痛みが走る。
少しだけ痛いけど……
「楓くん、もっとして?」
もっと、もっと、してほしい。
「いいよ。風菜は僕のものだって、たくさん分からせてあげる」
首元に沢山キスが落とされて、噛まれて、私は楓くんのものだと実感して。
「その顔、他の人の前で見せたら大変だね」
「……その顔って?」
「頬を真っ赤にしてかわいい顔」
「……んぁ…」
まるで、噛みつかれているようなキスをされる。
たくさん、たくさん。
「……ハァ、ハァ」
息をするひまがなくて、苦しい。
「風菜、息して?」
楓くんがキスをやめて私の頭を撫でる。
もっと、もっとして。
今はもっと、愛されたい。
「やめないで……」
「けど、苦しいでしょ?」
楓くんの背中に腕を回し、首元に噛みつく。
「もっと、もっと、愛されたい」
楓くんは目を見開いたあと、まるで唇を食べるかのようなキスを落とす。
「もう、余裕ないから、やめてって言ったってやめないよ?」
「うん」
朝から愛し合って、学校に遅刻しかけたのはまた別の話。