可愛い幼なじみの求愛




「僕と結婚してくれますか?」




楓くんが私に手を差し出す。




「ごめん、今すぐは決められない」




私は楓くんの手を握れなかった。




だって、楓くんは王子様。




私なんかが釣り合うわけがない。




それに、




「大きくなった楓くんのこと、もっと知りたいの
今は、何が好きとか色々」




あの頃と違う楓くんのこと、私は全然知らないから。




いつか、釣り合うようになったら。




好きになったら。





「楓くんのこと、沢山知ってから返事したい」




私がそう言って頭を下げると楓くんは私の頭を撫でて、




「いいよ」




そう言った。




「ありがとう」




顔を上げると




楓くんは私の手に指を絡ませて 




「沢山僕のこと知って、どんどん好きになってよ」




そっと手の甲にキスを落とした。





< 8 / 40 >

この作品をシェア

pagetop