可愛い幼なじみの求愛
「僕と結婚してくれますか?」
楓くんが私に手を差し出す。
「ごめん、今すぐは決められない」
私は楓くんの手を握れなかった。
だって、楓くんは王子様。
私なんかが釣り合うわけがない。
それに、
「大きくなった楓くんのこと、もっと知りたいの
今は、何が好きとか色々」
あの頃と違う楓くんのこと、私は全然知らないから。
いつか、釣り合うようになったら。
好きになったら。
「楓くんのこと、沢山知ってから返事したい」
私がそう言って頭を下げると楓くんは私の頭を撫でて、
「いいよ」
そう言った。
「ありがとう」
顔を上げると
楓くんは私の手に指を絡ませて
「沢山僕のこと知って、どんどん好きになってよ」
そっと手の甲にキスを落とした。