ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです！2

昼食は秀一が作ると言ったが、何もかも彼に任せるわけにはいかないので、瑠愛も一緒に作った。作ったのは瑠愛の好きなオムライスである。ローストビーフなど、無駄に豪華なものではないことに瑠愛はホッとしながら食べた。

「好きな人との食事はやはり特別だな」

秀一がそう言って笑いかけて来た時、瑠愛の心臓の鼓動が早くなったような気がした。



午後からは、別荘の中にある書斎で秀一と読書をして過ごした。そして夕方になった頃、「夕日を見に行こう」と秀一に誘われて、瑠愛はまた湖の周りを歩いている。

オレンジ色に世界を染める夕焼けは、本当に綺麗だ。湖に光が反射して煌めき、瑠愛は不思議な気分になる。

「こんなに夕焼けをじっくり見たの、初めてかもしれません」

瑠愛が少し前を歩く秀一にそう言うと、手をギュッと強く握られた。秀一が足を止め、瑠愛の足も自然と止まる。振り返った秀一は、夕焼けのせいなのか、顔はオレンジに染まっていて、でも瑠愛を真剣な目で見ていた。