ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです！2

「瑠愛、愛してる。君以上に好きになれる人なんて、この世界のどこを探したっていない。君だけが俺の全てだ」

秀一はそう言ってその場に跪く。そして、ポケットから出てきたのは小さな箱だった。その中に入っていた指輪を見て、瑠愛は「これって……」と呟く。

その中に入っていたのは、白く輝くムーンストーンの入った指輪だ。その宝石、指輪のデザインは、ジュエリープランナーに話したものと同じで、瑠愛の胸が自然と高鳴る。

「……覚えていてくれたんですか？あの時話したこと」

「当たり前だろう。一生に一度しかないプロポーズに必要な指輪なんだから」

秀一はそう微笑んだ後、瑠愛の手を優しく取る。そして、王子が姫君にするようにその手の甲に口付け、言った。

「必ず、瑠愛を幸せにする。俺と結婚してください」

ヤンデレの人なんて嫌だと思っていたのに、瑠愛の中にあふれているのは温かい感情だけだ。今まで素直になれていないだけだったのだと、あの時の友達の言葉がようやく理解できる。