ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです!2
瑠愛は、いつも持ち歩いている花柄のスケジュール帳を開く。土曜日から月曜日まで、予定は何も書かれていない。

「何もありませんよ」

瑠愛がそう言うと、「ならよかった」と秀一は笑う。そして、四ノ宮家が所有する別荘へ遊びに行かないかと誘ってきた。

「特別な日だからな、婚約者を独り占めしたい」

「私、四ノ宮さんの婚約者じゃないんですけど……」

瑠愛がそう否定しても、秀一は「照れ屋なのも可愛いが、いい加減認めてほしい」と返すので話にならない。

しかし、未成年と成人男性がお泊まりなんてかなり危なすぎるのではと瑠愛の頭の中に警報が鳴る。何か間違いがあってはならないし、なかったとしても、「一緒に泊まった」と話が流れれば、お互いに困るのではないだろうか。

「四ノ宮さん、別荘は素敵だと思うんですがお泊まりはちょっと……。変な噂が立ったら四ノ宮さんも私も困りますよね?」

「そんなことはない。俺たちは婚約者だし、俺はまだ君に手を出すつもりはない。ただ、瑠愛の誕生日を二人きりでお祝いしたいだけだ」
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