ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです！2

「花言葉を考えて選んだんだが、知りたいか？」

花束に見惚れていると、耳元で囁かれて瑠愛の口から「ひゃっ！」と悲鳴が出る。吐息が当たってびくりと肩が震えた。

「じ、自分で調べます！」

花束を持って行くわけにはいかないので家の中にいた母親に預け、秀一が荷物を受け取って瑠愛は車に乗った。



車は高速道路を使い、二時間ほどかけて別荘に到着した。秀一がたくさん話しかけてくれたため、瑠愛は退屈することなどなかった。

「ここだよ」

秀一が車のドアを開けてくれた先には、木造の広々とした二階建ての別荘があった。二人きりで過ごすには広すぎるように思える。別荘のすぐ近くには湖があり、鳥たちが水浴びをしていた。

「素敵な別荘ですね」

このような場所に来るのは初めてで、瑠愛は目を輝かせる。そんな瑠愛を、秀一は愛おしげに見つめていた。

「幼い頃から、長期休みの時には家族でここに来ていた。瑠愛と家族になって、子どもができてもここに来たいと思ってる」

「そんな、私はーーー」