ヤンデレ社長の婚約者なんて、お断りです!2
拒否する言葉を言おうとすれば、すぐに唇は塞がれる。しかし、前のように深いものではなく唇が触れ合うだけだった。

「言っただろ?逃がさないって。それにここでは誰にも邪魔されない。……楽しもうか」

あの冷たい目で微笑まれ、瑠愛の胸がギュッと音を立てる。そんな瑠愛に秀一は笑いながら背を向け、荷物を家の中へと運んでいく。慌てて瑠愛も秀一を追いかけた。

別荘の中は、瑠愛の予想通りとても広いものだった。家具やカーペットは暖色で統一され、おしゃれな暖炉まである。冬に使ったら素敵だろうな、と瑠愛は思いながら暖炉を見つめた。

「部屋は隣同士でいいか?」

秀一に訊かれ、「はい」と瑠愛は頷く。ここで拒否したところで、部屋は秀一の隣にささられるとわかっていた。

「さて、別荘周りを散歩でもしようか」

秀一に手を取られ、瑠愛は再び外に出る。美しい湖の周りを歩きながら秀一と話すのは、驚くほど楽しんでしまっていた。時々、ヤンデレ発言があったが……。
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