一人より、二人?
「へんなことを言わないで、私は先生の患者だからでしょう?」
私はわざと嫌われるようなことを。
「私を好きだなんてウソ、患者が一人でも減ると困るからそんなことを、わざわざここまで来るなんて」
あ…先生の顔をまともに見られない。
『急に、イキナリこんなことを言われて信じろと言うのは無理かも知れない、それでも信じて欲しい』
私の顔をグッいと上げられ目と目が合う。
「誰が見てもあの美人の人が先生にはお似合いだよ、私では不釣り合いできっと先生の両親だって反対する」
好きだと言われても不安は拭いきれない。
どうしたら…もう…分かんない。
『そんな事を考えていたのか、そんな心配いらないよ俺の両親には雪菜の話しをしてある、二人とも賛成してくれている。』
でも、私の育った環境は、先生も知っているはず。
それでも…
『俺の両親はそんな小さなことにこだわらないよ』
『雪菜、ちゃんと俺の目を見て、しっかり聞いて。俺の言葉だけを初めて会ったあの時から惹かれていた』