意地っ張りな恋の話
「絢くんのこと好きっしょ?」
「いや、ちが………………
分かんない」
「分かんないぃ?何言ってんのこの子」
「いや、好きなんだけど…好きなんだけどさ、歳離れてるし…未成年だし」
「…はぁ、初めてゆりちゃんのことうざいと思ったわ今」
あーやだやだ、うじうじしやがって、なんて言いながらカフェオレをがぶ飲みする。
ごちそうさまでした、と手を合わせたヨルくんは、千円札を突き出してあたしの顔を覗き込んでにぃっと笑った。
「せいぜいうじうじ悩んでなよ。
高校生って思ってるより大人だからのんびりしてたら他に彼女の2、3人出来てるかもねぇ」
そんな呪いのような言葉を吐いて、颯爽と店を出て行った。
他に彼女の2、3人出来てるかもねぇ
他に彼女ができてる絢くんをちょっと想像してみた。
想像しただけで吐き気がした。