意地っ張りな恋の話
「…柚璃?何してんだそんなとこで」
「あ、絢くん…うっぷ、お疲れ様」
「何人の顔見て吐き気催してんだよ」
いや、ちがうんだよ。
君の麗しい顔を見て吐き気を催してるわけじゃないんだよ。
君が他の女の子、たとえばあのメグちゃんとかと付き合ったりして、
あーやっぱり無理だ。想像すらしたくもない。
「ウォエ…」
「え、マジで大丈夫?
そんな飲んだのかよ」
「いや二日酔いじゃないから。
あたしのことなんだと思ってんの」
「や、ハメ外して酒飲んで二日酔いでバイトくることよくあるだろ?
今日のもそんな感じかと思って」
優しく背中を摩ってくれる絢くんに、返す言葉もない。
絢くんのこと、好き…かもしれないと自覚した瞬間、今までの自分の行動を思い出して頭を抱え込みたくなった。