意地っ張りな恋の話
「まあいいんじゃん?
過ぎたことはしゃーないからさ、これからのことを考えれば。」
瑛ちゃんは許してくれるよ、と軽く言った絵菜の言葉も耳から通り抜けていく。
許す許さないの問題じゃない気がする。
あたしは今まで、どこかで佐倉に甘えていたんだ。
佐倉は今まで何度も話を聞いてくれて、何度も助けてくれたのに。
あたしは佐倉の話、まともに聞くことすらしなかった。
「瑛ちゃんもきっと限界だったんでしょうねぇ…最近のアンタわかりやすいくらい絢くんって子に揺れてるみたいだったから」
ため息をついてコーヒーを煽る絵菜の言葉にまた胸が締め付けられた。