意地っ張りな恋の話
「ありがとうございましたー……」
最後のお客さんを送り出して、今日のバイトは終了。
なんか心なしか、あの高校生が来てから忙しくなった気がする。
いや、気のせいじゃない。
たしかにあの高校生目当てのお客さんが増えてる、と思う。
恐るべし美少年パワー…。
「何やってんのおばさん、俺帰るから」
「あーハイハイどうぞご勝手に、お気をつけてー」
はよ帰れ。
そう願いを込めてひらひらと手を振った。
さっさとブレザーに着替えた背中を半目で見送って、ため息を吐いた。
やっぱあたし、おばさんっぽいんだろうか。
なんかあんだけおばさんおばさん連呼されたら自分が本当におばさんなんじゃないかと思えてくる。