意地っ張りな恋の話
「っ、なによ!!!良いじゃない連絡先くらい教えてくれても…っ」
「や、本当困るんで…」
「教えてくれないと家までついて行くから」
「っ…本当すみません、勘弁してください…」
なんだなんだ。
なんか揉めてる?
あたしの目に飛び込んできた光景は、
両手首をがっしり掴まれたまま項垂れる絢くんの姿。
それからOL風の…女の人。
これなんかちょっとやばそう。
女の人の目血走ってるし。
「ほら、早く携帯出してよ
持ってんでしょ?!」
ヒステリックに叫ぶ女の人の声が聞こえた瞬間、
あたしの身体は勝手に動き出していた。