意地っ張りな恋の話
「俺来年から社会人だから、
再来年くらいに結婚するか」
何気なく呟かれた言葉に喉がごきゅりと嫌な音を立てた。
今コイツ、なんて言った?
言葉の意味がわからなくて、ペットボトルにつけていた口を離して絢くんを凝視する。
そんなあたしの顔に不満げそうに口をへの字にした。
「何だよその顔、今更やっぱ無理とか言ってもダメだから。
俺の今後に柚璃を手放す予定なんかねぇから。」
「そ、んな、」
「何だよ、やっぱ嫌だったのかよ
俺のこといつか手放すつもりだった?」
その言葉に勢いよく首を振る。
そんなわけない。
君のその言葉が、良い歳したあたしにどれだけの影響を与えているかわかって言ってるのか。
「言っただろ?
俺柚璃のこと好きなんだって」
そう言ってふにゃりと笑った絢くんの顔を見た瞬間、何かが決壊した。