意地っ張りな恋の話
バイト帰り。
肉まんを貪りながら寒さに肩をすくめながら歩く、夜21時半。
不意にぽつりとつぶやかれた言葉に聞き返してしまった。
「俺って柚璃の何?」
「………彼氏?」
「……ふーん」
質問の意図がわからなくて、横を歩く絢くんを見上げる。
ちょっとムカつくことに、この数ヶ月で絢くんの身長はさらに伸びた。
出会った時よりも髪が伸びて、少し大人びた横顔。
あたしと絢くんが、いわゆる″恋人″と呼べる関係になってから1ヶ月がすぎた。
なんだか未だに夢みたいだけど。