意地っ張りな恋の話



二人の間に不恰好に割り込んで、
女の人の手首を掴んだ。


「誰アンタ」

「えーっと……私は…」


この喫茶店で働いてるってなんとなく言いたくない。


逆恨みとかされて、店まで来られたら嫌だし。


「と、通りすがりの者ですが?」


「関係ないでしょ、離してよっ!!」


「いえ、離せません!!あなた怖いので!」


「はぁ?!!」


「あ!!ホラ、その顔っ…怖い怖い!!」


やっぱやばい人じゃん、この人。


そう思った瞬間、絢くんの手首を掴んでひたすら足を動かした。



「なっ、待ちなさいよ!!!何なのアンタ!!!」


怖い怖い怖い。

めっちゃ追いかけてくる。


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