意地っ張りな恋の話
絢くんに好きだと言った。
だけどまだ未成年の彼とキスとか、そういうことをするのに抵抗があって。
あの時だって躊躇うようなそぶりを見せてしまった。
だからかは分からないけど、彼とはあれ以来キスしたりとか、そういう雰囲気になったことがないのだ。
何を言ってるんだお前は、と思うかもしれないけど真剣に悩んでる。
キス、したい。
バイト終わりでまかないを食べた後、
少しの間課題をしていたあたしたち。
いつのまにか机につっぷして眠ってしまった絢くんの寝顔をじっと見つめていると、なんだかいけないことをしている気になってくる。
ふっくらした唇が呼吸と共にかすかに動くのを見ていると、
知らないうちにゆっくりと手を伸ばしていた。