意地っ張りな恋の話
じろりと絢くんを睨むと、決まりが悪そうに目を逸らす。
大きな犬を相手にしてるような気分だ。
「ゆり、公園いきたい」
「あ、そうだったね。お砂場遊びする?」
「ん」
短く返事をした子どもによし、と返事をして公園へと足をすすめた。
あたしの少し後ろをとぼとぼと歩いてくる絢くんの気配に、ちらりと目を向ける。
不貞腐れたような顔で、それでもあたしの後ろをついてくる絢くんに少しだけ笑ってしまった。
「絢くん」
「…なんだよ」
「今日、ごめんね?映画行こうって、前行ってたのに」
「別にいいけど」
「今度別の日に行こっか。ケーキでも奢るわ」
「…ん」
「ゆり、ホシもケーキたべたい」
「そうねぇ、おやつ買って公園行こっか」
子どもの言葉にコンビニは寄ってお菓子を買った。
あたしはペットボトルの紅茶、絢くんは紙パックの野菜ジュース。
天気のいいこんな日に、こんな過ごし方をするのも悪くないなぁ。