意地っ張りな恋の話
公園のベンチに腰掛けて、眩しい光に目を細めた。
あの二人、なんだかんだ言ってすっかり打ち解けちゃって。
子どもの乗るブランコを揺らす絢くんの姿を見ながら、絢くんがパパになったらこんな感じなのか、なんて思った。
軽々と抱き上げられた子どもは嬉しそうな声をあげて笑う。
そんな子どもの顔を見て、柔らかく笑う絢くん。
あんな風に笑う顔、初めて見た。
「……アイツ元気すぎ。
疲れた」
「楽しそうに遊んでたじゃん。絢くんあんまり歳変わんないでしょ?気が合うのねえ」
「いや何歳下だと思ってんだよ…
一応俺もう17なんだけど」
あたしの隣に腰掛けた絢くんにお疲れ様、とジュースを渡す。
目の前の砂場で遊ぶ子どもを見ながらゆっくりと時間が流れていった。
「天気いいねぇ」
「だな。寒くもないし」
「もう春だねぇ」
桜が咲いたら花見にいこう。
ゴールデンウィークは、どこか遊びに行こう。テーマパークに行きたい。
そんな話をぽつぽつとして、ふと横にいる絢くんを見た。