意地っ張りな恋の話



たった今目の前のクソガ…少年に“おばさん“と言い放たれたのは、
花も恥じらう20歳のあたし、小松柚璃。


「鼻もほじる?」


「花も恥じらう、ね。
てか勝手に人の心読まないでね」


鼻ほじってんのはお前だろ。

レディを目の前にして平気で鼻を掻くその男は、バイト先の店長の甥っ子らしい。

こんなにも可愛くない甥っ子、初めて見たわ。



「あ、柚璃ちゃん!今日も早いねー…
ってあれ?絢(じゅん)、アンタきてたの」

「やっほーセリちゃん」


納得いかない。
あたしより10も上の店長は“セリちゃん“で
なぜあたしは“おばさん“なのか。


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