意地っ張りな恋の話
「友達?ふぅん」
「な、何よ…自分から聞いといて興味なさそうに」
「おばさんの恋愛事情とか気持ち悪くて」
「……高校生クンは?さぞかしキラキラした高校生活送ってるんでしょうねぇ」
「そうですけど?
10代なんで」
「うごぉぉぉおおおあ」
まーたやられた。言い返せない。
一人悶えるあたしにフンと鼻を鳴らした絢くんは、お客さんに呼ばれてさっさと行ってしまった。
言い逃げか、チクショウ。
「…アンタだってあと5年もしたら20代のおっさんだっつーの…」
低くうめくように言った言葉は誰にも届かず、喫茶店の静かなBGMにかき消されてしまった。