意地っ張りな恋の話



「あ、柚璃ちゃん
昨日言ってたの、これあたしの甥っ子のー…」


「矢吹絢」


真顔で名前だけ言ったその顔は、相変わらずにこりともしない。


憎たらしいその顔はさらに憎たらしいことに、かなり整っていた。



「この子高校1年なんだけどね、バイト探してるって言うからうちで面倒見ようと思って」


「はあ…」


こうこういちねんせい。


つい最近まであたしだって制服着てたっつーの。

何がおばさんだ、舐めるなよ。



「おばさん、名前は?」


「おばっ…」


「あ、コラ!絢なんてこと言うの!柚璃ちゃんはれっきとしたピチピチの女子大生よ?!」


2回も言いやがった、コイツ。

初対面なのに、ピチピチの女子大生なのに。


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