意地っ張りな恋の話
◎◎
「絢くんってさ、頭いいの?」
「おばさんよりはいいと思う」
今日も今日とて憎たらしい絢くんは、
お客さんが全員帰った喫茶店でノートを広げている。
高校生のテスト期間ってこんな感じだったっけ。
「おばさんは頭悪そう、ってか勉強嫌いそう」
「おお…よく分かってんじゃん」
「なんで大学入ったの?バカじゃん」
「なんとなく…大学行っといたほうがいい気がして…」
「理由もバカっぽい」
我ながらそう思う。
あたしが大学へ行こうと思った理由なんてこんなアホな理由だけど、
あたしは行ってよかったと思ってる。
バイトして講義受けて(真面目に受けてないことがほとんだけど)、大学の友達と遊んで。
高校卒業して社会人になってたらきっと、そんなことできなかったから。