意地っ張りな恋の話
「え、何…どういう状況…」
「俺高校生だけど男だって言ったじゃん
なんで女のアンタに守られないといけないわけ?」
「女とか男とか関係ないでしょ!!
あたしは年上で、絢くんはまだ高校生になったばっかりの子どもじゃん!」
「…っ、もういいよ、
俺は確かに高校なったばっかのガキだよ
でも自分のことは自分で守れるから。
だから頼むから危ないことすんな」
恐る恐る伸ばされた手に、びくついてしまう。
壊れ物を触るみたいに頬の傷をなぞった指に、ぞくりと変な感覚が走った。
「傷になったらどうすんだよ…消毒するからコンビニ行くぞ」
さっさと手を引いて歩き出した絢くんにつれられて、よろけるように歩き出す。
目の前を歩いている背中は意外と広くて、
最近の高校生は発育がいいんだなあなんて場違いなことを考えた。