意地っ張りな恋の話
◎◎◎
「絢くん!!!!無事?!!!」
「…なにその剣幕」
「大丈夫?!今日はあの人、いなかった?」
「いねえから安心してよ」
ああ、良かった。
今日一日、気が気じゃなかった。
「そんな気になってたん、俺のこと」
「当たり前じゃん!!」
「…え、あ、っそ」
口に手を当ててふい、と顔を背けた絢くんを横目にエプロンを巻く。
当たり前じゃん。昨日襲われかけたのに、
心配しない方が不自然だ。
あの人の目は普通じゃなかった。
何するかわからない人の目だ。
「今日もバイト終わったら家まで送ってあげるからね!」
「いやいーって…なんでアンタにそこまでされなきゃなんないの」
「水臭いなあ!もっと頼ってくれて良いんだよ?」