意地っ張りな恋の話


そうだ。
あたしは成人、絢くんは未成年。


冷静になったら分かることだ。

未成年に手出したら犯罪だから。
危ない危ない、もう少しで勘違いしてしまうところだった。


なぜかうずくまってしまった佐倉は放って置いて、その日は帰路についた。





…とまあこんなことがあったわけだけど。


あの日からもう2週間経ったとは。


時が経つのは早い、


「なに遠く見つめてんだよ
2番テーブルに紅茶持ってって」

「っ、ああ、はいはい」

突然視界に現れた綺麗な顔に一瞬声が詰まった。
不自然じゃなかったかな、と気にしながらトレイに載せられた紅茶を運ぶ。


あのお祭りの日の後、絢くんからは鬼のようにメッセージが来てたけど気づいてないフリをした。


「おいおばさん、おばさんの分際で俺のメッセシカトするとかいい度胸してんじゃん」


その翌日のバイトで開口一番責められ、その日は一日絢くんの機嫌は最悪だった。

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