意地っ張りな恋の話
◎◎
「なんかさぁ、この前生まれて初めてナンパ(?)されたんだけど」
「ええー?…気のせいじゃない?」
「絵菜、それが本当なのよ」
「どんな人だったのよ」
「んー…顔が小さくて黒髪の人」
今日は久しぶりにバイト入ってない日。
あたしは絵菜とカフェでケーキをつついていた。
あたしはフルーツケーキ、絵菜はガトーショコラ。
甘いものってやっぱり良い。
「…もしかして俺のこの前の告白、無かったことにされてる?」
低い声で唸ったのは、なぜか今日絵菜と会うことを知っていて着いてきた佐倉だ。
「え、まじ?瑛ちゃん告ったの?」
「あたしが性犯罪者になるのを全力で止めようとしてくれたのよ、さすがに感動しちゃった」
「…どう言う状況?ねえ瑛ちゃん、柚璃何言ってんの?」
「……………」