意地っ張りな恋の話


「さっきは本当にありがとうね、えっと…」

「おれ澤(サワ)っていいまーす、よろしくねお姉さん!」


元気よく笑って缶ジュースを煽るその姿は、
一見してみると絢くんとは正反対の子に見える。

だけどなんとなく、絢くんはこの子とすごく仲が良いんだろうなあと思った。



「あ、さっきのことは絢くんには言わないでね?」

「なんで?」

「絢くん心配するでしょ、だから言わないでね」

「えー!心配なんてしてもらってナンボじゃん!!絢ちゃんから心配されるなんてレアだよ?」

「れ、レア?」


聞き返したあたしにうん、と頷いて澤くんは続けた。


「絢ちゃんはね、基本ゴーイングマイウェイって感じでね、あんま人と仲良くなるの得意じゃないのね?
だから友達も少なくてー」

「…悪口?」


悪口じゃないよー、なんて心外そうに言うけど

これが悪口じゃなくてなんだって言うんだろう。

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